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素材:レシート

サイズ:S150号

 

 お買い物の際、いただくレシートや領収書を貼付けていきました。

 私の制作の現場は生活の中にあります。極普通の日常生活こそが、私の掛け替えのないアトリエなんです。そして、いいものを作ろうとか、出世してやろうとか、そんな邪心を棄てて、毎日、積み重ねていくのです。

 ようするに、自己満足の世界観ですね…。

WORKS-05「生活の渦」

『お小遣い帳』

 時間ってお金で買えそうじゃないですか?でも限度がありますよねー。例えば、京都に行くにも一般道よりも、高速道路を使ったほうが速いじゃないですか。お金はかかりますが・・・。時間短縮なんて思ったりもしますけど、でも一般道も結構楽しいのです。景色を楽しんだり、寄り道をしたりと京都に着くまでの間に色々遊べるのです。そんな時間はお金では買えませんよね。まあそんなのは、どちらが良いなんて決められませんけどね。

 他にも、買おうと思っても絶対買えない時間があるのです。継続です。継続して何かをやっていると、例えば、日記を書き続けているとします。時間がもったいないからといって、明日や明後日の事を書くことなんて出来ませんよね。今まであった出来事しか書けません。継続することって経験という時間の積み重ねなのです。絶対に時間短縮なんて出来ないのです。

 私が継続していることの一つに、お小遣い帳があります。しかし、それは極めていい加減なのです。忙しいときは、レシートを2,3日ためて、それを見ながらつけるのです。レシートって結構すごいのです。色々なことが記されているのです。例えば、購入品の金額ばかりではなく、店名、日付、時間なども一緒に記されているのです。レシートによっては、割引券になっていたりするのです。そういう視点で見ると、レシートは日々の出来事を記す日記のようなものに思われてくるのです。

 私の日常生活においての楽しみの一つに、買い物があります。例えウインドウショッピングであっても楽しいと思えるのです。なんでお買い物がこんなに楽しいのか不思議です。きっと、お買い物とは、必要に迫られて物を買う快感だけではなくて、何を買おうかと考える楽しさがあるのだと思うのです。

 話は変わりますが、私は無類の旅行好きです。思い立ったら独りでも行っちゃいます。計画を立てるだけでもウキウキ気分です。南の島に行こうと決めたその時から、心は南の島にあるのです。過去のお小遣い帳を見ていると、買った物とその値段しか書いていないのだけれど、それを見ているとその当時の事を思い出します。これから行く南の島も、またこのお小遣い帳に加わるのだろうって想像すると不思議な感じがします。

 私が継続しているのは、お小遣い帳をつけている事ではなくって、実は買い物を楽しんでいるって事なのかもしれません。とりあえず何でも良いのです。続けられるってことは、凄いことなのです。自画自賛なのです。よくまあこんなに買ったものだなあって振り返るのも楽しいじゃないですか。

 そんなレシートをお小遣い帳に書き写したら、巻いていこうと思いました。そしてこれも私の生活の渦なのだと思います。

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